はじめに
原則として、カンボジアでは個人または法人に拘わらず、外国人が土地を所有することは禁じられています(憲法第44条)。それでも、戦略上土地取得が不可欠であるとする外国人企業および投資家においては、現地パートナーを持ち、法的拘束力のある約定を結ぶ等、あらゆる防護策を取ったうえで、土地取得が行われています。
また建物の所有についても、外国人には各種制限が有りますので注意が必要です。2010年5月24日に「区分所有建物の専有部分の所有権を外国人に付与する法律」(外国人区分所有法)が公布され、同時に施行されました。これにより、区分所有権が認められる集合住宅、すなわちコンドミニアムとして法令で定められた条件を満たす2階以上の物件のみが、外国人でも購入可能となっています。
売買土地をお探しの方
土地所有権は、原則としてカンボジア国籍者のみに付与されており、外国人は所有が出来ないことになっています。すなわち、個人の場合であれ会社の場合であれ、カンボジア国籍者が51%以上の割合で所有する必要があるということです。この大原則の上で、外国人が土地取得を行う方法を以下に3つ挙げます。
《外国人による土地取得方法》
1. カンボジア国籍の取得:本人がカンボジア国籍を購入することで、土地購入を行う事は可能です。しかしながら、費用と時間が掛かる点には注意が必要です。また、日本国においては二重国籍が禁止されています。
2. カンボジア国籍の名義人:多くの場合が、カンボジア国籍者の名義において土地登記を行う方法を選択します。名義人が死亡した場合や行方不明となった場合、両者間の信頼関係が破綻した場合には問題が起こり得ます。
3. 土地所有会社の設置:51%がカンボジア国籍の自然人または法人の名義、49%が外国人の自然人または法人の名義となります。これに特別な防護手段を講じることで、外国人投資家が支配権を持つことが可能です。
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売買コンドミニアムをお探しの方
外国人区分所有法により、次の条件の全てを満たす集合住宅に限り、外国人に対しても、区分所有権が認められています。
《区分所有権が認められる集合住宅(=コンドミニアム)の条件》
1. 区分所有権を有している建物であること
2. 2階以上に位置する物件であること
3. 建物全体での全占有部床面積のうち、外国人区分所有の割合が70%を超えないこと
4. 管理組合の設置と、同時に組合規定を定めること
※管理組合の議決
こちらは、過半数以上の区分所有者による議決権の行使にて決定可能な事項と、75%以上の区分所有者による議決権の行使にて決定可能な事項の2種類に分かれています。例えば、建て替えについては、後者に該当する内容となります。
なお、少なからず、カンボジアのフラット(タウンハウス)の一区分を購入したいという方がいますが、外国人が購入できるものはあくまで上記の条件を満たす物件に限られていますので、注意が必要です。
新築コンドミニアムに加えて、近年少しずつではありますが、中古コンドミニアムが市場に出てきています。しかしながら、建物の中には、法整備が整っていない状態で分譲されたものの、登記が出来ないという決定的な問題のあるコンドミニアムも存在しているため、十分に注意してください。こういった物件は争議となっており、今後裁判となることも想定されています。
利回りについて
10%を超えるような高い利回り(インカムゲイン)が期待できることも少なからずある日本やアメリカなどの先進国に対して、一般的に東南アジアの物件購入では高い売買差益(キャピタルゲイン)が期待できるとされておりますが、カンボジアもその例外ではありません。しかしながら、そのメリットの裏には同程度のリスクが存在していますので、購入前にはリスクの事前確認が重要です。また、2015年以降は物件の供給数が急増しておる上、カンボジアではプレビルド型の販売方式が取られているため、物件選びの際は慎重に行われることを推奨いたします。
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