はじめに

カンボジアの賃貸サービスアパートや賃貸オフィスビルの中には、保守管理レベルの高い物件もすでに存在していますし、万が一、何らかの問題があった場合にも大家負担となるケースが多いので少なからず安心ができます。しかしながら、戸建てとなると、(倉庫や工場も含めて)水漏れをはじめとする施工不良が多い点に加え、修理についてはテナント負担となってくる場合が多いので注意が必要です。
しかしながら、不動産取引に関する制度がこの国において整備されるのは、これからの長期的な課題となっており、曖昧な契約が締結されることの方が一般化しています。いずれの物件を賃貸される場合でも、賃貸契約書に適切な条文を加えることが大変重要です。物件が決まっても、契約締結・引渡しが完了しない限りは油断大敵といえます。

《敷金と礼金》

カンボジア国内において、礼金を支払う商習慣は存在していません。 敷金は、デポジットまたはセキュリティデポジットと呼ばれ、退去時に故意又は過失による損傷がなければ、全額返還されるのが普通です。

賃貸住居をお探しの方

一般的に日本人に選ばれている賃貸住居の形態は、サービスアパートとなっています。家具・家電に加えて、掃除・リネン交換・ランドリー・インターネット等のサービスが付いた集合住宅の一室をサービスアパートと呼んでいます。市内でも、600米ドル以上(消費税10% 込、光熱費別途)の予算があれば、サービスアパートを検討することが十分可能です。立地するエリアや築年数、施設の充実度(プール・ジムの有無)によって、賃料は大きく異なります。駐在員の方ですと、一等地のBKK1(バンケンコン1)に住まれる方が大多数ですし、家賃を自己負担される方は、二等地のTTP(トゥールトンポン)周辺をはじめ、BKK1から2KM圏内の市内中心部に住まれている方が多くなっています。以下、2014年10月時点での各エリアのグレード毎の相場を示します。あくまでご参考までの目安となりますので、例外も存在します。

《一等地(バンケンコン1)の賃貸住居相場》

部屋 広さ Aクラス Bクラス Cクラス
1LDK 50〜100m2 1,500USD〜 1,250USD〜 850USD〜
2LDK 80〜120m2 2,200USD〜 1,400USD〜 1,000USD〜
3LDK 100〜250m2 3,500USD〜 2,200USD〜 1,500USD〜

《二等地(トゥールトンポン)の賃貸住居相場》

部屋 広さ Aクラス Bクラス Cクラス
1LDK 50〜100m2 1,000USD〜 800USD〜 600USD〜
2LDK 80〜120m2 1,200USD〜 1,000USD〜 750USD〜
3LDK 100〜250m2 2,000USD〜 1,500USD〜 1,200USD〜

※上記は、電気・水道代を除いて全てのサービス費用と消費税10%(VATと呼ばれる)を含んだ金額となっています。

弊社では、1年間のアフターサポート付きでサービスアパート物件のご紹介を行っておりますので、安心して海外生活を送っていただけます。 まずは、お気軽にお問い合わせください。

《賃貸住居 戸建賃貸の6つの注意点

1. セキュリティの設置・配置:入居者負担となる場合がほとんどで、派遣会社に連絡を取り、派遣をしてもらうことになりますが、24時間昼夜問わずしっかり働いてもらうためには労務管理を行う必要があります。防犯カメラが付いている物件も多くはありません。

2. ジェネレーター(自家用発電機):付属していない物件がほとんどです。エリアによって頻度は異なりますが、プノンペンでは、気温が高くなる時期には毎日のように停電が起こります。

3. メンテナンス:プールの清掃等は大掛かりな掃除となり、水質の管理などは大変な作業となります。また、家屋内で水漏れが起きた場合等も入居者負担となるような曖昧な契約が多いので、事前に話し合いが必要です。

4. 衛生面の確認: トイレに紙を流せるか、異臭はしないかをしっかりと確認しましょう。一般的に、現地では紙を使用する習慣がないため、トイレに紙を流すと詰まってしまいます。ウォシュレットをみかけることは、2016年2月時点ではほとんどありません。

5. 庭の手入れ:カンボジアの気候下では草木が伸びるのは驚くほど早く、定期的な手入れが必要となります。これらも入居者負担となる場合が多いです。

6. 所有権登記がされているか:登記がされていることを確認し、地主と建物の所有者ともに、誰が誰であるのかをハッキリさせましょう。地主の中には、海外に住んでいて代理人を立てているという場合も少なくありません。委任状を確認する必要がありますし、一度は直接面談することが推奨されます。

なお、カンボジア国内において、住居を賃貸する場合において発生する税金はそれぞれ以下の通りです。ここでいう会社名義とは現地法人名義を意味します。海外法人名義の場合は、個人名義と同様の扱いとなります。

《住宅を賃貸する場合の諸税》

場合分け VAT Withholding Tax Fringe Benefit Tax
会社名義の場合 貸主がVAT登録者である場合、支払義務 有 納税義務 有
(家賃の10%)
納税義務 有
(家賃の20%)
個人名義で、会社から住宅手当が支給される場合 同上 なし 納税義務 有
(支給額の20%)
個人名義で、自己負担の場合 同上 なし なし(但し、給与税 最大20%が発生)

※ Withholding Tax とは、カンボジア王国における源泉徴収税を意味します。
※ Fringe Benefit Tax とは、カンボジア王国における付加給付税を意味します。給料以外に従業員に支払われる金品、あるいは特典に対して付加される税金を表しています。

賃貸店舗をお探しの方

店舗用として利用されている物件は、主にフラット(日本でいう長屋およびタウンハウス)かヴィラ(日本でいう戸建て、一軒家)のいずれかとなります。一般的なフラットの形状は、間口が4mとなっており、奥行きは15m〜30m程度と幅広く存在しています。賃料は数百ドルからと低めですので、飲食店出店の足がかりとして使用されることも多くなっています。広い間口をお求めの場合には、フラット複数分を連結して使用している場合もあります。その場合の間口は、8m, 12m, 16mと4の倍数となります。
また、戸建ては、間口が20m程度と広く取れることが利点となりますが、一等地ですと、2014年10月時点で4,000USD〜5,000USD程度まで賃料は高騰しています。

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賃貸オフィスのお探しの方

一般的には、ほとんどのお客様が賃貸オフィスビルを選んでいます。オフィスビルの月額賃料相場は、建物の立地とグレードに依りますが、平米当たりUSD10〜40前後となります。

グレード Aクラス Bクラス Cクラス
平米単価 USD30〜40 USD20〜30 USD10〜20

※基本設備のみ(床タイル、壁塗装、蛍光灯、エアコン)という条件が主流です。中には、家具付きの物件も存在しています。

また、以下に示すとおり、カンボジア国内において事業用物件(事務所・店舗・工場など)を賃貸する場合の税金を押さえておかなければなりません。 ここでいう会社名義とは現地法人名義を意味します。海外法人名義の場合は、個人名義と同様の扱いとなります。

《事業用物件を賃貸する場合の諸税》

場合分け VAT Withholding Tax Fringe Benefit Tax
会社名義の場合 貸主がVAT登録者である場合、支払義務 有 納税義務 有
(家賃の10%)
納税義務 有
(家賃の20%)
個人名義で、会社から住宅手当が支給される場合 同上 なし 納税義務 有
(支給額の20%)
個人名義で、自己負担の場合 同上 なし なし(但し、給与税 最大20%が発生)

したがって、物件検討前には次の点について必ず確認しましょう。
1.予算が税込みであるのかどうか?
2.貸主がVAT登録をおこなっているかどうか? 
3.提示された家賃にVATが含まれているのかどうか?

一方、上記に記載された内容は税法上の見地からではなく、実際に起こっているプラクティカルな納税方法であり、2014年10月1日の現時点で弊社が調査した限りの情報となります。初めてご検討される方には、少々複雑な内容となっているかも知れません。まずは、お問い合わせください。

《バーチャルオフィスをお探しの方へ》
近年は、税務登録完了後に税務職員が事務所へ直接的に訪問を行う等をして、違法性の疑いや、事業実体が存在していない疑いがある法人を抑制すべく、政府による取り調べが強化されております。弊社が調査を行っている限りでは、2016年2月現時点において、バーチャルオフィスという形態自体には違法性は認められておりません。一方で、海外進出を行う際には、期間限定的にバーチャルオフィスという形態をとることが、事業戦略の最適解となる場合が少なからず存在しておりますので、ご検討中の方は弊社までお問い合わせください。

バーチャルオフィスとは
実際に事務所を構えることなく、ビジネスを行うためのサービスを受けることができる仕組みのことです。事務所を構えて登記を行う場合、まず「住所」や「電話番号」が必要です。また、場合によってはお客様と打ち合わせをする「会議室」や、あなたが仕事をするための「机」が必要とされます。

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賃貸土地をお探しの方

原則として、カンボジアでは個人または法人に拘わらず、外国人が土地を所有することは禁じられています。 ただし、土地使用については、長期賃貸借、コンセッション、更新可能な有期の短期賃借等が認められています。さらに、土地上の不動産や個人資産を所有することや、債務保証として担保に差し入れることも認められています(改正投資法第16条)。

賃貸土地の登記: 15年から最長50年の長期賃貸借契約に基づく賃借権は永借権と呼ばれ、登記が可能です。登記がなされておらず、地主が第三者へ売却を行った場合には、賃借権を主張できなくなりますので、注意が必要です。

土地コンセッション: 利権拡大によりそれが停止されるまでは、外国人は国有地の使用権を持つことが許可されてきました。具体的な権利については、場合毎に政府によって決定されます。

参考文献:カンボジア土地法(JETRO)http://www.jetro.go.jp/world/asia/kh/law/pdf/land_jp.pdf

詳細については、こちらからお問い合わせください。

賃貸倉庫・工場をお探しの方

賃貸倉庫はプノンペン市内の東西南北に散在しており、500平米〜3,000平米ほどまで広さは様々です。平米当たりの賃料は2〜3ドル程度です。高額になっているプノンペン経済特別区(PPSEZ)を避けて、別の場所で倉庫または工場の設置をしたいと考えている日系企業様からご依頼をいただくことも多くなっています。
縫製工場や検品工場、プリント工場などの企業様が多くなっているのが現状です。一方、セキュリティレベルや冷暖房施設の有無、トイレの衛生面等、日系企業の求めるスペックに到達する倉庫が少ないのが課題でもあり、初期の設備投資が必要となってきますので、別途費用が伴います。

経済特別区(SEZ)とは
経済発展のために法的、行政的に特別な地位を与えられている地域を指します。カンボジアでは2005年に経済特別区制度が導入されました。プノンペン近郊、シハヌークビル、ベトナム、タイとの国境エリアで開発されています。SEZ進出企業は適格投資案件(QIP)に与えられる通常の優遇措置に加え、全ての業種において付加価値税(VAT)が免除されます。

詳細な資料が必要な方は、まずはお問い合わせください。

レンタル倉庫 レンタル工場

賃貸駐車場をお探しの方

プノンペン市内中心部で月額50米ドル程度から月極駐車場がご利用いただけます。カンボジアにおいては、これまで路上駐車が一般的であったがため、市内中心部では近年、駐車場が不足しがちな傾向にあります。(2016年2月現時点)詳しくは、こちらからお問い合わせください。

その他の賃貸物件をお探しの方

サービスアパートやオフィス用として、建物の一棟借り等をご検討の方、またはその他の賃貸物件をご検討の方は、問い合わせフォームよりお問い合わせください。